マ王の花嫁 
「ところでメリッサ。その恰好・・」
「え?」

・・・そう言えば、今私が着ている服(と、室内にいるから今は脱いでいるマント)は、上質の絹を使ったものだ。
ブーツだって中々高級感が溢れているし。
馬(ジュピター)に乗るため、コルセットやペチコートは身につけていないものの、今の私の外見だけは、高貴ないでたちをしているに違いないと、今頃気がついた。

「それに、こちらの方々も立派な身なりをしていらっしゃいますが・・・もしかして、ラワーレの王宮の方でしょうか?」と不安気に聞くシスター・マジュルカを安堵させるように、ライオネル様は微笑みながら、「いや」と答えた。

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