マ王の花嫁 
寺院の前には、すでに沢山の人だかりができていた。
その中を静々と歩く私に、人々は「おめでとうございます!」という祝福の言葉を投げかけてくれる。
お祝いの式だからなのか、皆礼儀正しく、小ぎれいな服を着て、にこやかな笑顔をしている。

ロドムーンはとても豊かな国だという印象が、私の中でますます強まる中、私が入口に着くと、寺院内から鳴り響いていたパイプオルガンの音色が静止した。

それを合図にするように、参列者の皆が一斉に私がいる入口に注目する。
そして・・・司祭様のすぐ近くに立っている新郎のライオネル王も、私の方を向いた。

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