マ王の花嫁 
あぁ!また王と至近距離になってしまった上に、ジョーゼット生地越しからでも、王の熱さを感じるような・・・それとも私だけが熱いのかしら・・・?

「やはりこれを着た方が良い。おまえの滑らかな素肌を他の男共に見せるのは・・・目の毒だ」
「・・・は?」
「目の毒ではなく、見せたくないのでしょう?」とニメットが言うと、ライオネル王は「そう表現しても良い」と言って、ニヤッと笑った。

だから!王はまだ私の肩に大きな手を置いているから、ジョーゼット越しからでも、熱を感じるじゃないの!!

一人だけ心中アタフタしている私のことなど構わずに、ライオネル王はますます私に近づくと、いつの間にか持っていた黒い宝石がついたネックレスを、鏡越しに私に見せた。

「これは・・・?」
「母上の形見だ」
「あぁ・・・そうでしたか」
「たった今から妃となったおまえのものだ」
「え」

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