マ王の花嫁 
「染めるのはこれで最後にします」
「だがおまえは、この色が好きなのだろう?」
「え!?ええ・・・好きですけど、貴方様のおっしゃるとおり、私の目の色には、地毛(プラチナブロンド)の方が合っていると思いますし。それに、この色に染めてみたのは、似合うかどうか、試しに染めてみようと思い立った上でのことで・・・そう、初めての試みなんですよ!」

必死に弁明をしている私に、ライオネル王は「そうか」と言ってフッと笑った。
その笑顔を見た私の心臓がドキンと跳ね、頬がポッと赤くなったのを自覚した私は、慌てて王から目を背けると、恥ずかしいのを隠すように、王と絡めている腕に、一瞬だけギュッと力を込めた。

それから祝宴が行われる広間までは、特に話はしなかったけれど・・・その方が良い。
だって、あんまりしゃべってしまうと、付け焼刃的に身につけた即席淑女(レディ)としての気品が・・・ボロボロと剥がれ落ちてしまうから!

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