マ王の花嫁 
ボレロを脱いで部屋へ来ていたので、むき出しの背中が、ひんやりとした絹のベッドシーツに当たっている。
私を見おろすライオネル王の視線はとても熱くたぎり、私をベッドに抑え込んでいる王の手は、力強いけれど、加減をしてくれているのが私にも分かる。

でも・・・ライオネル王は、怒りの雰囲気を発しているような気がする。

「その男の名は二度と口にするな」
「でも本当に、あの、そういう関係ではな・・・」
「おまえが何者であるのか、そんな事はどうでも良い。今は・・おまえが欲しい」
「ライ・・・や、やめて」

ライオネル王は、私を罰するように祝宴で着ていたアイボリーのドレスを破って、床へポイと投げた。
そして私の首筋や鎖骨に口づけをしながら、荒々しい手つきで私の体をまさぐる。

私の両手首は、ライオネル王が私の頭上で片手で抑え込んでいるし、王が上へ乗っているので、顔を左右にふる事しか抵抗ができない。
ひげが生えかけている王の肌が、私の脇をかすめるたびにチクッと痛む。

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