マ王の花嫁 
「恋人、は、今までいちども・・いませ、ううぅっ・・・」
「そうだったか。どうりでおまえは・・・キスの仕方と言い、何から何までぎこちなかったのだな。すまなかった」

驚いた事に、ライオネル王は私に謝っただけでなく、私の目からとめどなく流れ出る涙を、大きな手で拭ってくれた。
屈強な体格とは不似合いな優しい王の仕草に、何故この御方が魔王と呼ばれ、人々から恐れられているとドレンテルト王が言ったのか、ますます分からなくなってしまった。
少なくとも、ライオネル王は、絶対に醜い容姿ではないし・・・。

「恐怖と痛みを与えてすまなかった。最初からやり直しだ」
「・・え?あの、私・・・」
「おまえには、今から快感と悦びを与えてやろう。俺が・・・教えてやる」
「あ・・・ぅ、んん・・・っ!」

・・・てっきりすぐ殺されると思っていたのに。私の思惑は大きく外れた。

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