マ王の花嫁 
ゆったりと私を覆う白い寝着は、一回り程大きい。
しかも、着慣らされている感じがする上、ボタンが左側についている。
これは男性用の寝着・・・もしかしてこれは、ライオネル王の!?

恐らくライオネル王が、これを私に着せてくれたのだろう。
大きく武骨な手で、小さなボタンを留めている王の姿を想像した私の頬は、また熱くなり、鼓動がまた、ドキドキと速くなった。

ライオネル王は、屈強で大柄な体躯に似つかわしく、私を激しく、そして情熱的に抱いた。
でもその時でさえ、私を気遣う優しさを感じて・・・より王と親密になってしまったような気がする。

私が胸元のボタン部分を左手でギュッと抑えたとき、コンコンというノック音が、ドアから聞こえた。

< 76 / 400 >

この作品をシェア

pagetop