マ王の花嫁 
私が意識を失った間に、ライオネル王は私の体を丁寧に拭いてくれたのだろう。
王が解き放った証は、私に残っていなかった事、そして湯船に浸かったおかげで、体の痛みと強張りがだいぶ和らいだのは助かった。
それに、侍女たちも心得ているのか、皆手際良く動いてくれたので、私もそれほど恥じらいを感じずに済んだ。
侍女たちの心遣いが、とてもありがたい。



その後、長く大きなテーブル席で、私はひとり、朝食を摂った。
搾りたてのオレンジジュースから漂う、甘く新鮮な香りと、淹れたてのコーヒーから漂う芳醇な香りが、私をシャキッと目覚めさせる。
丸いパンは焼きたてなのか、そっと手で触れてみると、まだ温かい。
真ん中で割ってバターを乗せると、程良い感じで溶けていく。
パリッとした外生地に対して、中はモッチリしていて、一口噛むことに美味しさが増していく!
これは何と言うパンなのだろう。後でニメットか料理人(シェフ)に聞いてみよう。

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