マ王の花嫁 
黄色に輝くフワフワしたオムレツにの上には、細かく刻んだ数種類のハーブが、アクセントのように乗せられている。
あぁこれも・・・チャイブの味が効いてて、とても美味しい。

真っ白なお皿に乗せられた数々のご馳走に、テーブル正面には、ピンクのバラが、お皿と同じ白くて小さな花瓶に、一輪活けられている。
朝食とは、急いで流し込むように食べるものでしかなかった私にとって、目の前にあるこれらは、簡素な食材を使っているにも関わらず、とても豪華で、見た目も麗しい。

実際、どれもとても美味しかったけれど、フィリップがいつも私に作ってくれていたオートミールの味が、「メリッサ、もっとゆっくり食べなさい!」というフィリップの小言が、私やフィリップの傍をちょこまかと行き来しながら、時にキャンキャンと鳴くシーザーの温もりが、無性に恋しかった。

< 79 / 400 >

この作品をシェア

pagetop