マ王の花嫁 
「でも、この世に“人間の姿をした、人間ではないもの”など存在しない。だからあの御方は人間よ。安心なさい」
「ええ」
「そしてあなただけじゃなくて、私の命運も、これからのあなた次第だと言うことを肝に銘じて」
「え、えぇ」

ニメットがすぐそばまで近づいてきた。
私たちの「会話」は、これで終わりだ。

サーシャと私は少し距離を開けて、侍女と王妃という役割を、それぞれ演じ始めた。

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