マ王の花嫁 
「なぁるほどぉ。クリーム色の御肌と紺碧色の眼・・・うむっ。確かにプラチナブロンドの方が、クイーンのお顔立ちには似合っておりますな」

アイザックは、うんうんと頷きながら、金色に染めている私の長い髪を一束手に取って見ている。
それはまさしく、画家がモデルを品定めしている図、そのものだ。

「それでは、クイーンのデッサン終了後、お二人のデッサンを描く、ということでよろしいのでしょうか」
「ああ」
「えっ」
「何だ」
「あの・・まだ、あるのですか」
「俺たちの婚姻の記念にな」
「あぁ・・・」

決められたポーズを保ったまま、じーっとしている「仕事」がもうすぐ終わると密かに喜んでいたのに。
この後まだあるって・・・しかも、ライオネル王と一緒に「じーっ」としなきゃいけないの!?

私の中で膨らんでいた喜びは瞬く間に消え、代わりに緊張感がドッと押し寄せてきた。

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