見上げた空は広かった
「アナ?僕だけど」
「ちょっとどこいってたの?」
アナは少し大げさと言えるくらいにわかりやすく不貞腐れていた。

わざとやっているんだろうなと心の中で思った。

「もう帰っちゃった?」僕は少しだけ寂しそうな声を出した。
「え、うん、もう部屋だけど。どうかした?」
「いや、一人にさせてごめんと思って」
「アリアいたし、別に一人じゃなかったけど」
「そっか。。。」
「どうかした?」
「いや、別に何もないけど、もし眠くないなら俺の部屋くる?ワインあるし」

少しだけ間が空く。
アナが考え始めた。
考え始めたらきっと来ないだろう、だから次の手をうつ
「来てくれたら嬉しいけど、無理なら大丈夫」

と俺がいった途端アナは来るといった。

「ありがとう」俺はそういって電話を切った。
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