見上げた空は広かった
「大丈夫だって」
俺はハナを半ば強引に説得して6本入りのギネスの箱をカゴに入れた。
「重くない?」ハナは心配そうに僕の腕を見る。
痩せていても僕は男だ。そんなにヤワではない。ていうか女の子にこんなに重たい荷物を持たせるなんて死んでも無理だ。
「大丈夫。まぁ骨がれたら病院連れっててよ」と僕は冗談を言った。
「ありがとう」ハナはにっこりと僕に微笑んだ。

僕は彼女の笑顔にとても弱い。

きっと僕以外の男の大半が彼女の笑顔に弱いだろう。

アルベルトが羨ましい反面、あいつの女々しさに少しだけ苛立ちすら覚える。
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