見上げた空は広かった
「なんでローマの大学退学になりかけたの?」ハナは俺の顔を見ながら聞いてきた。
「行かなかったから、ていうか行く気が失せた」
「退屈だった?」
「そんなんじゃない。なんでここにいるのか分からなくなった」
俺はジョイント彼女にを渡しながら言う。
「彼女がいたんだ俺。15歳から付き合ってた。21の時に別れた」ボソッとつぶやいた。
「どうして別れちゃったの?」
「見放された。もしかしたら俺が見放したのかもしれないけれど」
「今でもその子の事が好きなの?」
「それはない。向こうが出て行ったんだから」
ハナがジョイントの最後の方を吸い終わるとベンチの横に置いてある灰皿に吸い殻を捨てた。
ハナは黙っていた。
まるで話しかけないでくれと思っている俺の心の声を聞いているようだった。
何もしゃべらず、動かず、ただぼーっとしていた。
彼女は黙り込んでいる俺を励ますわけでも抱きしめるわけでもなくただ黙っているのに俺はなぜだか居心地のいい温かいぬくもりを感じていた。
居心地のいい温もりなんてあるわけないのに。
「行かなかったから、ていうか行く気が失せた」
「退屈だった?」
「そんなんじゃない。なんでここにいるのか分からなくなった」
俺はジョイント彼女にを渡しながら言う。
「彼女がいたんだ俺。15歳から付き合ってた。21の時に別れた」ボソッとつぶやいた。
「どうして別れちゃったの?」
「見放された。もしかしたら俺が見放したのかもしれないけれど」
「今でもその子の事が好きなの?」
「それはない。向こうが出て行ったんだから」
ハナがジョイントの最後の方を吸い終わるとベンチの横に置いてある灰皿に吸い殻を捨てた。
ハナは黙っていた。
まるで話しかけないでくれと思っている俺の心の声を聞いているようだった。
何もしゃべらず、動かず、ただぼーっとしていた。
彼女は黙り込んでいる俺を励ますわけでも抱きしめるわけでもなくただ黙っているのに俺はなぜだか居心地のいい温かいぬくもりを感じていた。
居心地のいい温もりなんてあるわけないのに。