見上げた空は広かった
行く途中、彼は何も話さなかった。
何考えてるんだろうとは思ったけど色々聞かれる事が好きじゃないから逆に居心地が良かった。
沈黙も嫌いじゃなかった。
ただ少しだけアルベルトが戸惑ってないかだけ心配した。
彼の目が少しだけ戸惑っているように見えたからだ。

「あのさ」

アルベルトはまるで察したかのように口を開いた。
私は黙って次の言葉を待つ。
どんな事を聞かれるのか少しだけ気が張った。

しばらく間があく。

「ジョイント吸っていいかな?」

その一言で何だか気が抜けた。
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