見上げた空は広かった
ある日の夜中。

無性に一人になりたくなかった。

一人には慣れているはずなのに何故だかたまにとてつもなく誰かと一緒に居たくなる。


小さい頃から鍵っ子で両親の帰りだって遅くて、一人で何でもできた。
彼らが帰ってきたところで特に何も話さないから家の中でも一人だった。
彼氏はいたけれども彼氏の前で寂しいなんて言ったこと一回もなかった。
だからスイス行きだって一人で決めたし何でも一人で準備した。

一人には慣れているし集団で何かワイワイするより一人でいる方が好きなのに
どうしたことか、たまに一人でいると全てが恐ろしく感じる。

きっと誰にもそこまで必要とされていないという現実を目の当たりにしている感覚に陥る。

私を引き止める人なんて今まで一人もいなかった。
３年付き合った彼氏には速攻別れようと言われたし、両親に至ってはスイス行きに対して賛成も反対も言われず、ただ軍資金だけ渡された。
よくつるんでいた高校の友達とも卒業して３ヶ月で完全に疎遠だ。

幼馴染の二人だけがたまに連絡をくれるけれども二人とも妊娠中で学生の私から見たら別世界の住人に思える。

見上げた夜空が真っ黒で広いから、まるで自分は小さな石ころでその広い闇に飲み込まれていく様な気がしてきた。

アルベルト何してるかな。。。。
ふと思った。
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