見上げた空は広かった
「強い子だった。文句も言わず、泣きもせず。純粋でまっすぐなー」

ハナは何も言話なかった。
相槌も打たなかった。
ただ静かに聞いていた。

俺は全部を話す。

ラウラの事も当時の彼女の事もその後、俺が完全に崩れていった事も。

自分自身どうしてこんな事を出会って２−３ヶ月しか経ってないアジア人に話しているのか検討がつかなかった。
イタリアの友達ですらこの事を知っている人はほとんどいない。
当時の彼女とはその数ヶ月後に別れた。

支えて欲しかった。
けれども彼女だって同じ気持ちだっただろう、だって彼女もラウラを妹のように可愛がっていたんだ。

なのに俺はそこに気がついてあげれるほど余裕はなかった。

冷たい男だった。
幼稚だった。
だから浮気されて逃げられた。

ラウラの事にしても当時の彼女の事にしても全ての人間関係において俺はきっとどこか他人行儀なんだろう。
自分の事しか見えていない。

だからあまり誰とも深く関わりたくない。というか関われない。

なのにハナがどうしても君と重なるから話してしまった。
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