見上げた空は広かった
パブの中でハナを待っていた。

昨日のこと怒っているかそれとも変に期待されているかの二択しかないだろうな。
どっちにしても面倒くさい。
でも、面倒くさいと思う割にどうにかしようと思っている自分がいた。

自分の気持ちが自分でも分からない。
でもハナの気持ちはもっと分からない。

「ごめん、待った?」

ハナは少し遅れてやってきた。
ジーパンに薄手のシャツを半袖の上から羽織っていた。

「そんなに待ってないけど、何飲む?ギネスでいい?」
「もしかしてご馳走してくれるの?」
ハナはまるでイタズラを仕掛けた少女のように笑った。
「自分で払えよ」

俺はこの時ハナの答えは俺が予想していた2つの答えどちらにも当てはまらないのだと気がついた。
少女のように笑うくせに君は少年ほど単純ではない。
君の考えていることは分からない。
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