見上げた空は広かった
それからハナと俺は前にもましてよく話すようになっていった。
何回か寂しくなると体を重ねた。

でもセフレとは呼びたくない。
何もせずにただ添い寝をしたことだってあるし、俺にだって理性のカケラはあった。

一緒に中間試験の勉強をした時、ハナは俺のベットで寝落ちしていたけれども俺は手出しはしなかった。
ただハナをベットの壁側に寄せるとあいた左側で寝た。
彼女の頭を撫でると少しだけホッとする自分がいた。


学校では誰に対しても愛想がいいハナはよく好かれた。
特にヨーロッパ系の男子からみればアジア人のあのエキゾッチクな容姿というだけで惹かれる存在だった。
中には必死に彼女を口説こうとしているやつもいた。
それなのにどういうわけか彼女は一番無愛想な俺になつき俺はそんな彼女と一緒にいるのが心地よかった。

心のどこかできっとハナは俺に惚れているんじゃないかとさえ思っていた。

そう、あいつに俺らが出会うまで。
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