見上げた空は広かった
フランス語の授業ではジョージの横に座った。
「お前、なんでフランス語チューター付けたんだよ?難しくないだろ。スペイン語と似てるし」
「奨学金欲しいから成績A欲しいんだよね。それに初日にチューター付けたら無料だし」
「お前すげぇな。チューターしたらお金貰えんのかな?」
「貰えるらしいよ。でとチューターなるテストに受からないといけないけど」
「あぁー。何でここフランス語とドイツ語とイタリア語しか選択肢ないだよ。スペイン語あれば俺もチューターするのに」
「お前ドイツ語喋れるじゃん」ジョージは突っ込む。
「でも俺、コロンビア人だから」
「アルベルトもイタリア人だけど俺のチューターだぞ」
「そういう問題じゃないんだよ。あいつはフランス語が話せるイタリア人だろ。俺の場合色々とややこしいだろ」俺はため息まじりに言う。
「お前もドイツ語喋れるコロンビア人じゃないか」
「みんながそう思う訳じゃないんだよ」と俺は笑顔でいうと左隣に座っているジョージの頭をグシャグシャにした。
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