進撃の夢小説

食堂



三人「ご馳走さまでした」


食器を片付け、
残りの二時間は自由時間だ




ミ「ルカ、さっきの続きいいか?」


ル「あっ、そうだったね」


エ「?」


ミ「ルカの夢の話をしてたんだ」


エ「夢か…俺も聞きたいな」


ル「いいよ♪私ね、本当にこの世界が
 平和になったら、世界を旅して
 絵描きになることが夢なの」




ミ・エ「ッ…」





ミケとエルヴィンは暫く黙った






ル「(あれっ反応ない…引かれた?)」




ミ「フッ)ルカはやっぱ面白いな」


エ「あぁ。夢はそのくらい
 でかくないと楽しくないもんな」





ル「そ、そうだよね‼あぁ良かった
 正直、馬鹿にされるかと思った」



二人の好意的な反応に
ルカは胸を撫で下ろした








エ「ところで、ルカとミケは
 どの兵団に入るか決めているのか?」


ル「もちろん‼
 調査兵団に決まってるよ」


ミ「俺も調査兵団だ」


エ「ニヤッ)俺もだ」


ル「へぇ二人もだったんだ!
 ミケはどうして調査兵団?」


ミ「俺はこんな肩身の狭い
 世の中なんざ御免だからな」


ル「本当ね‼なんで巨人
 なんかに住みかを限定されなきゃ
 いけないんだよってね」


ミ「全くだ」


ル「エルヴィンはどうしてなの?」


エ「俺は父の仮説を証明する為だ」


ル「仮説?」


ミ「また面白い話か?」


エ「ニヤッ)あぁ」





エルヴィンは目を輝かせ話し始めた




―――――――――――――
――――――――――――――――





エ「…って、訳なんだ」


ミ「ほぉ…なんかありそうだな」


エ「だろ?」


ル「エルヴィンって見た目からして
 保守的で堅い人だと思ってたけど
 結構攻めるね‼いいね♪」


エ「そうか?
 (俺そんな風に思われていたのか…)」




ル「巨人に勝利して、エルヴィンの
 父親が言った仮説を証明出来たら
 皆で世界を旅するのはどう?」


ミ「フッ)旅は道連れって奴か」


エ「良いかもしれないな」


ル「やった♪あぁ~なんかもっと
 楽しくなってきたかも♪」





三人はお互いの顔を見合って
外部から見ると不気味なくらい
目がギラついていた







するとエルヴィンは
ルカとミケを手招きして
顔を近付けるように促し小声で話す


エ「ここだけの話だが、
 来年、また調査兵団が壁外調査を
 開始するみたいだ」


ル「そうなの!?」


ミ「どこからそんな情報を
 手に入れたんだ?」


エ「さっき廊下を歩いていたら
 教官と、もっと偉い奴が複数人で
 話をしていたんだ。何かあるなと
 思って、盗み聞きをした」


ミ「…お前ってなかなか悪い奴だな」


ル「クスッ)私も思った」


エ「ッ…朗報だと思ったんだが…。」


ル「いや!朗報だよ?
 ただ、エルヴィンが盗み聞きする
 とは思わなかっただけなの」


ミケも同感するように笑う



エルヴィンは腕を組み考え事を
するかのように眉に皺を寄せる


ル「エルヴィン気にしないで」


ミ「フッ)今のは忘れろ」


エ「あ、あぁ…そうするよ」






ミ「話は変わるが、
 ルカの絵が見たくなった」

エ「あぁ、そうだね」

ル「いいよ♪誰かペン持ってる?」

エ「俺ので良かったら」

ル「ありがと♪じゃあ、
 ミケとエルヴィン描こうかな」

ミ「俺らか?」

ル「そうさ♪仲良くなったんだから
 最初に描かなくちゃね♪」

エ「ははっ、なんだか照れるな」

ミ「だな。俺らはどうすればいい?」

ル「うーん、じゃあ、
 二人並んで座って欲しいな」



ミケとエルヴィンは
ルカに言われた通りに座る



ル「じゃあ描くね」

ミ「あぁ」

エ「宜しく頼む」





ルカはさっきエルヴィンから貰った
ノートで二人の似顔絵を描き始めた


――――――――
――――――――――



10分が経過し…



ル「出来たっ」

ミ「もう終わったのか?」

エ「予想より随分早かったな」

ル「お客様をずっと待たせる
 わけにもいかないからね♪」


ルカは二人の元へ近付き、披露した






ミ・エ「…」

ル「(二人の無言って怖いな…)」










ミ・エ「上手すぎる」


ル「えっ?」


ミ「俺みたいに絵の心得とか全く
 知らない奴でも、ルカの絵は
 凄いと思う」

エ「あぁ。下手すれば宮廷画家並の
 才能があるかもしれないぞ…」

ル「いやいや、二人共、
 ちょっと私を乗せすぎだよ」

ミ「冗談は言ってない」

エ「どこかで絵を習ったのか?」

ル「ううん。自分で好きなように
 描いただけだよ」


カンカンカンカンカンカンカンカン




外から突然鐘が鳴り始めた






エ「就寝5分前の時間だ急ごう」

ル「えっ、鐘で合図するの?」

ミ「ルカは何も聞いてないのか」

ル「あはは」




三人は駆け足で
就寝する部屋へと向かう




ミ「女子寮は右だ」

ル「うん!ありがとう‼」

エ「また明日」



三人は手を振り合い
慌ただしく解散した
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