進撃の夢小説

一年後、ある日

水中訓練





訓練兵達は朝起きると各個人宛に
新しい制服(水着)が置かれていた

各自の下着を脱ぎ、
代わりにそれを着て
いつもの制服を着るようにと
メモ書きがあった





女子部屋

ル「水着ってぴっちりしてるんだ」

?「みたいね
 今日はなんの訓練なんだか…」


彼女の名前はナーガ・マフィア


ルカの二段ベットの上で寝ている
赤茶色の髪でショートカットの似合う
訓練兵の一人。



ル「なるようになるしかないね」

ナーガ「あぁ…なんか嫌な予感…」


ナーガは
溜め息を増やしながら着替える



ル「(男子もこれあるのかな…?)」


ルカはまだ着替えずに
水着を眺め、スケッチしている



―――――
―――――――




ル「おはよ♪ミケ、エルヴィン」

ミ・エ「おはよ」


ルカは手を振りながら
二人の元へ近付く


ル「ねぇ男子も水着来てた?」

ミ「あぁ、パンツみたいのがあった」

エ「それじゃあ
 女子の所にもあったのか?」

ル「うん、女子はパンツっていうより
 一つの布に胴体を隠す感じだったよ
 これスケッチした奴…」


ルカはさっきのスケッチを見せた





エ「そっ、そうか…」

ミ「…」

二人は少し頬を赤くする

ル「えっ、どうしたの?」

エ「いや、なんでもない///
 相変わらず絵が上手いな。」

ル「ありがとうエルヴィン♪」

ミ「(想像してしまった…俺変態だな)」





朝礼の時間になり、皆は整列した

教官も時間通りに到着し、
何故か荷馬車を連れていた



教官
「本日は水中訓練を行う。
A クラスは訓練所の裏にある湖、
Bクラスは荷馬車で移動し別の湖を使う。
目的地に着いたら湖の回りを
正午まで走り、昼食を終えたら
夕方まで泳げ!わかったか!!」

皆「はっ‼」

教官
「尚泳げないものは開拓地送りだ」


教官は脅しを掛け、訓練が始まった





皆は準備運動をして、
列を乱さずに湖へ走った















昼食を終え…


ル「いよいよこの湖の中に
 入る時が来たね…」

エ「…あぁ。
 (正直入りたくないな)」


ミ「スンスン」




ミケは湖の匂いを嗅ぎ、顔を歪めた






ミ「…水が死にかけている」

ル「…ミケ、今それを言わないで‼」

エ「そうだ、入る気が失せる。」

ミ「…すまん」




そう、ミケの言うとおり
湖は所々濁り、異様な臭いがする




皆は制服を脱ぎ準備運動をする





ル「ふぁあぁ…どうしよう…」



ルカは突如、呼吸が荒くなり
体がうずうずし始めた





エ「ルカ、調子が良くないのか?」

ミ「まさか、俺がさっき言った
 水が死にかけているって言うのを
 気にしているのか?」

ル「ち、違う!私は至って元気さ‼
 …原因は今の二人の格好だよ‼」


ミ・エ「??」


ルカはすたすたと二人に近付き
露になった腹筋を触り始めた



ミ「ッ…///」

エ「…ルカ、どうしたんだ?///」


ル「二人とも良い体してるねぇ~♪
 是非、スケッチをさせて欲しいなぁ」


エ「今は訓練中だ、それは出来ない」

ル「じゃあ終わったらいい?」



ルカは触るのを止めずに聞き返す



ミ「(触り方がイヤらしいな…///)」

エ「(理性を保つんだ、俺///)」



エ「わ、わかった‼それで良い」

ミ「おい、エルヴィン」

ル「本当!?うっしゃー‼」



ルカは拳を握り
第一線で湖の中へ入って行った





ミ「良いのか、エルヴィン」

エ「やむ終えん。
 理性を保つので必死だった」

ミ「…確かにな」





エ「ミケ…ルカの体の引き締まりも
 なかなか良いと思わないか?」

ミ「…エルヴィンも思っていたか」

エ「俺は下心など抱いてないぞ?」

ミ「あぁ、分かっているそんな事」











ル「こら、二人とも‼」


ルカは湖を一周泳ぎ終え
一旦上がって来た



ミ「っと…」

エ「すまんルカ、行こうか」

ル「全くだよ‼」



ルカに連れられ二人も訓練を始めた










泳ぎ続けて、二時間が過ぎた…









ル「ブグッ」







突如、教官がボートに乗って

ルカの頭を水中に
無理矢理押し付けたのだ




教官
「何が起きるか分からない。
 その為の訓練である」



ル「ッ…(奴め)」





ルカは体勢を整えたいが
水中が故に難しい





ミ「(まずいな、ルカが危ない)」

エ「(…これも訓練か)」




他の訓練兵もルカに
気付く者もいたが
見て見ぬふりをする






ミ「(エルヴィン、出来るか!?)」

エ「(当たり前だ‼)」

ミ・エ「((やるぞっ‼))」







そう、自分一人で精一杯。
他人を助ける余力が皆に無いのだ







ルカが水中に沈められて三分が経過


ル「ッ…(どうする。私も限界に
 近付いている。このままじゃ落選
 どころじゃない。死ぬぞ?)」




ルカは教官の腕を
掴むことしか出来ない















バキバキッ









教官「(やはり来たか)」






教官が乗っていたボートは
何者かに破壊されたのだ

教官はルカの手をほどき
立体機動で避難した





ミ・エ「大丈夫かっ!?」



ル「ゴホッゴホッ」



そう、ルカを救出したのは
ミケとエルヴィンだ





二人はボートの残骸にルカを乗せた



ル「ありがとう、二人とも」



ミ「無事で良かった」

エ「よく耐えてくれた」



二人はルカが無事で安堵した





ル「けど、私もう泳ぐ力がない…」

ミ「ルカはそのまま板に
 しがみついていればいい」

ル「でも‼」

エ「教官は自力で泳げとは言って
 ない筈だ。だから俺らでルカを
 終了時間まで補助する」


ル「二人もさっき相当体力
 使っただろうし、共倒れになる
 可能性もある‼危険だよ‼」


ミ「そんな事を心配してたのか」

エ「その優しさで充分力になる。
 大丈夫だ。俺らを信頼しろ。」


二人はニカッと笑った





ル「…ありがとう」



ルカは力を緩め、二人に身を委ねた
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