恋のお勉強はじめました!〜まずはキスから〜
私の苦悩を感じたのか、クスクスと浮かぶ笑いを抑えながら、嵐さんが戻ってきた。

「お前ンチどこ?」

「え・・?」

「持って帰るの大変だろ?送ってもらう。」

「あ、、えと、え。」

「来て。」

そう言って、ぐいっと私の右手をとった。

これ、いくら・・いくらしたの?

レジの中にはすでに複数の大きな袋が置かれている。

そうか、小さなものから大きなものまで・・
動かす力だ・・ああ、思わずあのコマーシャルの音楽が意味もなく頭の中をよぎっていく。

目の前がぐるぐるする。

「住所、言って。」

「ハイ、えっと○市・・。」

っていうか、書くのは嵐さんなんだ。

「愛されてますね、彼女さん。」

店員さんが、微笑んで言った。

ああ・・違うのよ・・これ、ただの研修なのよ。。
嵐さんも、何考えてるんだろう・・。
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