君とだから、歩いて行きたい。


自分から話しかけようって考えた事も勿論あるけど、話題が見つからなくて。


なんて話しかけたらいいの?


どう言う話題を持っていけばいいの?


彼は、いったい何が好きなんだろう?


私は彼のことを知らなさすぎるんだ…。 仁みたいに話しかけることが出来たら。


――窪原くんにとって私はいったいどういう存在なんだろう…。


同じ学校の女子?


顔見知り?


なんにしたって嫌だよ。だって仲良くなりたいもの。


彼に、窪原くんに近付きたいもの。


好きだって思うから。気付いしまったから。


あぁ、そっか。自分から動かないと、何も始まらないんだね――……。



「……窪原くん」



私が話しかけるまでにかかった時間は多分2秒くらい。一瞬迷ったのは、ここで聞いていいかどうか、悩んでしまったから。


だけど話し掛けてしまった以上、あと戻りは出来ない。



「私って、嫌われてる?」



彼の返事を聞く前に投げかけた質問。怖いような、でも聞きたいような。


なんとも言えない感情が私の中でグルグルしてる。


聞いちゃいけない。ダメ。


ううん、今聞かなきゃ。もう聞けないかもしれないもの。


自分の中で葛藤しながら固く拳を握った。


隣にいる仁さえ少し驚いた様子で私を見ているのが分かった。それくらい意外なことなんだろうな…なんて、他人事かな。


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