君とだから、歩いて行きたい。
少し戸惑った様子の窪原くんは、仁に視線をやった後、すぐに私へ戻した。
仁にヘルプしても無駄だって分かったんだ思う。
少なからず仁は私の味方だからね。
困った顔をした窪原くんは意を決したようで静かに口を開いた。
「………嫌いって言ったら?」
―――あぁ、嫌われてるんだ。
直感した。私はダメなんだって。
窪原くんの隣に居れるのは私じゃないんだって。
だけど涙なんて出ない。
理由なんて知らないよ。寧ろ私が私に聞きたいくらい。どうして泣かないの? 泣けないの?
私って、こんなに強かった――……?
下げてしまった顔を少しずつ上げ、もう一度窪原くんを見た。
「嫌ってる理由は、今はまだいいや」
「今は?」
「いつか、聞かせてよ。仲良くなってから」
仲良くなりたい。
そんな意味を込めてみたけど、彼には届いたのかな?
私の想いがバレたって別に構わない。嘘じゃないもの。本当だもの。
好きだって気持ちに、嘘はつけないでしょ。
だから大丈夫。
だけど、もう少し。今よりもっと自然に話せるようになるまで。
それまで私からは何も言わない。気付いてたって、何も言ってやらない。
私を好きにさせるなんて考えてないけど、あわよくばとは思ってるから、それまで……。
だから、まずは。
「友達になろうよ」
嫌ってる理由を、少しずつ教えてよ。
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