君とだから、歩いて行きたい。
友達


―――友達になりたい。


そう思ったのはいいけど、好きな人と友達になるって、どうすれぱいいの?


いっぱい話しかける? とりあえず出掛ける?


うーん……恋愛経験0の私にはハードル高すぎたかなぁ…。


1人悩みに悩んでいると仁の声がした。



「アンタ、まだ悩んでんの?」



仁にそう言われるのも無理はない。だって私があの、よく分からない宣言をしてからもう3日が過ぎた。


そりゃあ早く行動しろって言いたくなるよね……。


私だってこんな自分らしくなくてなんだか気持ち悪い。


どうした私!!



「はぁぁぁぁ……」

「キッモ!! 溜め息つくくらいなら今すぐ窪原の教室でも行って来い!!」

「キモって……親友が悩んでるのに…」

「親友だろうが虫ケラだろうが気持ち悪いことに変わりはないでしょ」



え、虫ケラ? 私今、かなり酷いこと言われた? 真顔で凄いこと言われた?


仁さん……流石に虫ケラはどうかと思うよ…。


私だって一生懸命生きてるんだよ…。 虫ケラ達も一生懸命生きてるんだよ…多分……。



「はぁぁ‥…」



仁に何を言われてもここから動けないんじゃ、やっぱり私は虫ケラかもしれない。


それでもどうすればいいか分かんないんだから、どうしようもないよ。

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