君とだから、歩いて行きたい。
溢れる想い


―――昨日の出来事から1日しか経っていないのに、どうしてこんなにも昔の事のように思えるんだろう…。


あれから私は真っ直ぐ家に帰った。


鞄の存在なんてすっかり忘れてて、家に到着して少ししたあと仁から電話がきた。


スマホだけポケットに入れておいたから良かったけど、財布を入れたままの鞄を置いて帰るなんてどうかしてる。そう言いながら仁は私の話を聞いてくれた。


それで少し、怒ってた。



『ふざけんな』

『ナメてんの?』

『あんな奴やめときなさい』



お母さんみたいな言葉を並べながら私の話を聞いてくれる仁に思わず笑みが零れた。


だって、仁がこんなに私のことを心配してくれるなんて思わないじゃん。


いつも毒しか吐かない仁さんですよ?


嬉しいに決まってる……。


グチグチと暖の文句を言う仁がおかしくて、私は終始笑ってた。


気が付けば後もいた。


多分、仁が呼んだんだと思う。


何も知らない私は急に家にきた後にビックリしたけど。


私の部屋に3人で集まることは珍しくはなくて。 ただ、私の話をしてるって言うのが珍しかったかな。


ずっと文句を言ってる仁を見て後はどこか複雑そうな顔をしてた。



『俺は窪原と仲良くなったんだぞ!!』



って言いながら、仁に足蹴にされてた。『それが何よ』って言いながら後を蹴ってる仁が面白かった。


2人とも私のために怒って、行動してくれて、本当に感謝してる。


それを2人に伝えた時、仁は涙目で『凛が幸せになれるならなんでもいいわよ馬鹿!!』って言ってくれた。


後は相変わらず馬鹿で、アホで、なんとなくしか分かってない話の中で私を一生懸命慰めてくれた。



『窪原も悪いヤツじゃねぇから、な!?』



って言って、私と暖どっちの味方なのか分かんなくなっちゃってるし…。


それでも2人の気持ちが嬉しかった。


ありがとう。

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