願わくば、この先もずっと・・・
鈴木のくせに偉そう。その態度にカチンときた。確かに部屋を綺麗にしてくれたことはありがたいとは思うけれど、半ギレ状態で怒鳴られるのは腹が立つ。


『別に自炊しなくたってコンビニやスーパーに行けばお惣菜だってお弁当だって売ってるじゃない。自分で作るよりもそのほうが手軽だし。食卓だってなくても困ってないんだから指図すんな!』


『・・・あなたが倒れたら、俺が困るんです!』


『は、はあ?』


『あなたが倒れたら、誰に仕事を指導してもらえばいいんですか?俺は村瀬さんを頼りにしてるんです。村瀬さん以外の人に指導なんてしてもらいたくないんです』


鈴木のくせに、ちょっとトキメクようなこと言うな。だって、だって作りたくない。美味しくない。


『・・・一人で食べたって美味しくないじゃない』


彼氏と別れてからすぐは私だって自炊もしていた。でも、一人で作って食べてもちっとも美味しいと感じない。私の実家は三世帯の同居でいつも食卓は賑わっていた。


田舎だったから和食がほとんどで野菜中心だったからあの時は弟と二人洋食に憧れていたけれど、今になってお母さんとおばあちゃんは手間暇かけてご飯を作ってくれていたんだと思った。
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