ビターチョコをかじったら
「いいか。ここは外だ。他人の目というものがある。それに俺たちは高校生ってわけじゃない。つまり、俺が何を言いたいか、わかるな?」
「…多分?」
「多分かよ。」
「…人の目があるから、手、繋ぐのはなし?」
「ちげーよ。それはありだろ。その先がなし。」
「…その先って、どれ?」
「…お前的にどれ?」
「抱きしめる?」
「…だろ。そこからはなし。でも、お前があんまり可愛いことばっかり言ってるとしたくなるから、そこは考えろって…頼む。家帰ったら言ってくんね?」
「…わかった。でも、手を繋ぐはありなんだ…。」
「ありだろ。」
即答だ。それだけで充分嬉しい。実はずっと、やりたかったことだから。
「…ありかぁ…へへ。」
「何だよその顔…。」
「嬉しいの。今までは、…手を繋いで歩くってあんまりしたことがなかったから。」
紗弥は握られた手を見つめた。手を握るなんて、下手したら中学生のカップルでも普通にやっていることだ。そんなこと一つでこんなに嬉しくなるなんて、幼稚だと思われてしまうだろうか。
「…はぁー…お前、俺が言ったことの意味を全然理解してねーな。」
「してるし!手は繋いでくれる!合ってるでしょ?」
「…それ以外が合ってねーし。」
「…多分?」
「多分かよ。」
「…人の目があるから、手、繋ぐのはなし?」
「ちげーよ。それはありだろ。その先がなし。」
「…その先って、どれ?」
「…お前的にどれ?」
「抱きしめる?」
「…だろ。そこからはなし。でも、お前があんまり可愛いことばっかり言ってるとしたくなるから、そこは考えろって…頼む。家帰ったら言ってくんね?」
「…わかった。でも、手を繋ぐはありなんだ…。」
「ありだろ。」
即答だ。それだけで充分嬉しい。実はずっと、やりたかったことだから。
「…ありかぁ…へへ。」
「何だよその顔…。」
「嬉しいの。今までは、…手を繋いで歩くってあんまりしたことがなかったから。」
紗弥は握られた手を見つめた。手を握るなんて、下手したら中学生のカップルでも普通にやっていることだ。そんなこと一つでこんなに嬉しくなるなんて、幼稚だと思われてしまうだろうか。
「…はぁー…お前、俺が言ったことの意味を全然理解してねーな。」
「してるし!手は繋いでくれる!合ってるでしょ?」
「…それ以外が合ってねーし。」