【短編】君と卒業式


「……」


「なんか言ってよ」


私は、いつの間にか下ろさて握られていた手をギュッとしてそう言う。



「俺、リトルマオあげたからなんかくれってば」


「…っ!な…」


バカ。

バカなのはマオじゃん。

私はこんなに寂しくて、こんなに好きなのに。

バカ。



「私何も持ってないし…」


あげられるものなんて、もっていない。



「じゃあ、俺が欲しいのでいい?」


「え…うん」


マオは私の何が欲しいんだろう。


「これがいい」



「…え……っっ!」



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