【短編】君と卒業式



「カヨちゃん、明後日には向こうに行くんだって」


「うん」


「マオも寮に行っちゃうし、本当に離れ離れだね」



寂しいよ。


「寂しい?」


私の気持ちが聞こえていたみたいに、マオが私の顔を覗いてそう聞く。



マオは昔から変わらないつもりで、よくその動きをするけど、正直どうかと思う。



マオの首筋とか、襟足とか、口元とか。


変に男に成長していて、嫌。


ドキってする。


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