【短編】君と卒業式
それでもカヨちゃんの方はマオのことを全然そんな風に見ていなくて、むしろ、都会に憧れているカヨちゃんは「都会で彼氏作る」の一点張り。
カヨちゃんは多分、私がマオのことを好きなのをずっと知っていた。
だけどずっと言わないでいてくれたし、触れたりもしなかった。
幼なじみが壊れちゃうのが嫌で。
仲良しに戻れなくなっちゃったら嫌で。
ずっとこの気持ちは閉まったままだ。
「いる?これ」
マオはそう言って、学ランの第2ボタンを指してそう言った。