許し方がわからなくて
「湊、飯食ったか?まだなら、シチューあるけど。」

「ああ。食べる。てか、ここ誰の家だ?」

あれ?

湊くんってこんなに身長高かったっけ?

見上げる感じが前と違う。

サラッサラの黒髪は相変わらずだけど、色気のある大人の男って感じで美形に磨きがかかってる。

五稜湊(ごりょうみなと)は、とにかく昔からやたらモテるハイグレードな人なんだよね。

隣にいるだけで比べられる、そんな生活したくないって思ってしまうから、私は一線引いて接してしまう。

当然、好きになったりしたことないし、憧れたこともない。

高校時代は毎日家に来てたから、美形でも見慣れてるしね。

もう1人のお兄ちゃんみたいな感じ。

「椎の家。」

「椎?うわっ。久しぶりだなぁ。こんなに近いとこ住んでたんだな。歩いて5分もかかんなかったぞ。」

『へぇ。湊くん久しぶりだね。』

「ああ、相変わらず可愛いな。椎は笑とやっぱり似てるな。」

「そうだろ?オレに似て可愛いよね!」

うんうん頷きながら、笑が笑う。

私達は確かに似てる。

で、壱兄と蜜が似てるというか、同系統。

「で?オレは椎に会えて嬉しいけど、壱の用事は何?」

シチューを食べながら、不思議そうに壱兄を見てる湊くん。


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