許し方がわからなくて
湊のイトコ
「最近嫌がらせ受けてるって?」

笑が心配そうに言う。

『えっ、なんで知ってるの?』

「オレだよ。」

壱兄がすぐに笑に返す。

「無言電話からの脅迫だろ。」

「はっ?!」

湊くんと蜜がびっくりしてる。

そう、ここ最近になって嫌がらせの電話が、しょっちゅうかかってくるようになった。

しかも相手は声でわかっている。

『うん…。スマホに無言電話がかかってて、最近やっと話したかと思ったら…。』

「なんだ?」

湊くんが怪訝そうに問いかける。

「お前の秘書だよ。」

壱兄が私の言葉に続ける。

「はぁ?冴(さえ)はオレのイトコだぞ?んなことしねぇだろ。」

嫌悪感を露にする湊くん。

「根拠もなく言うわけねぇだろ。お前、調べもしないで確認なしに、椎よりイトコのほうを信じるんだな。」

そうだね、私もそれが悲しかった。

壱兄の言葉に残りのキョウダイ三人も、湊くんを睨んでます。

『いいわよ、もう。湊くんから疑われると思わなかった。でも、もう日常生活に支障をきたしてるの。だから、同居は解消するわ。』

「椎?!別に疑ってるわけじゃないぞ。ただ、冴のことは子供の頃から知ってるから。」

少し焦りだした湊くんだけど、私は悲しくて涙が出そうだった。


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