黒い死神、雪と共に。

「しぃくん！おはよう！」
「あ、おはようございます。」
そんな会話を交わし、僕は席につく。
僕、小森白虎はクラスメイトに挨拶をしたが、誰なのかは分からなかった。
名前を覚えていなかったからだ。まだ一学期の5月ということもあるかも知れない。
あまりそういうことを覚えることには自信が無いが、勉強には自信があるだけの自分だ。
今日はなんだかいつもより騒がしい。
「しぃくん、今日は転校生が来るそうですよ。」
僕のまだ分かる稲見くんが言った。
彼とは塾が一緒なのもあって、仲が良い。