媚薬と私
家に着いたのは、23時過ぎだった。
由紀子は、まだ着いてないだろうか・・・?
僕はそんな事を考えながら、妻が作ってくれた夕食を食べていた。
もう、夜食の時間だな・・・・。
僕は飲んだ時でも、必ず後で食事を取る。
小腹が空いてしまうのだ。
それに、飲みの席では、あまり食べない。
僕は妻を愛していた。
思いやりがあり、何をやってもそつがない。
料理も上手い。
妻は存在が可愛い。
僕と妻は相性がいいと思っている。
そして、小学校3年生の息子がいる。
9歳だ。
良妻賢母の妻と、可愛い息子。
そして、10年前にマイホームを手に入れた。
はたから見て、幸せを絵に描いたような家庭に見えるだろうと、自負している。
これ以上の幸せは、無いだろう。
後は、息子の将来に向けて、頑張るのみだ!
しかし、妻以外の女性とも、たまには食事をしたり、遊びたいと思っている気持ちもある。
それを実行に移すか移さないかは別として、男性なら、少なからずそういった願望が
あるはずだ。
既婚男性は、ズルい。
妻とは別れず、他の女性と遊びたい。
男は浮気。
女は本気という。
これは男の本能で、妻や恋人がいても、他の女性に誘惑されれば、
そちらに行ってしまう事もある。
これは、もちろん、その男性のタイプにもよるし、付き合い度にもよるだろう。
恋人同士とはいえ、ラブラブの時もあれば、冷めきっている時もある。
逆に言うと、だから略奪愛というのも、可能になってくる。
しかし、既婚男性の場合、これが難しい。
今の生活を壊して、浮気相手と一緒になろうと考えるのは、リスキーだ。
まあこれも、相手の女性にもよるだろうし、男性のタイプにもよるだろう。
また、その環境にもよりけりだ。
冷めきった夫婦なら、離婚も考えられる。
こんな事を考えている僕は、何なんだろう・・・・?
別に、高藤由紀子と浮気をする気持ちはない。
ただ、食事をするだけだ。
しかし、トキメキを感じている自分がいた。
それが彼女に対してなのか、単に20歳年下の女性と食事に行けるから
といった理由かは分からない。
食事くらいなら、いいだろう・・・・。
その先の事は、考えていない。
由紀子だって、本当に食事をしてくれるかは、分らない。
お互い、飲んだ時に言った言葉だ。