最後の恋
その時、突然インターホンが鳴らされた。


彼ならもう少し遅くなると言っていたけど、予定よりも早く終わったのだろうか。


いや、彼なら鍵を持っているからわざわざ鳴らさないだろう。


という事は、やはり彼への来客だろうか?


ここは、私のアパートとは違ってセキュリティもしっかりしているし、ここで解除をしなければ部屋の前まで来客が来る事は出来ない。


というよりもマンション内にさえ入れない。


聞こえるわけではないのだから気にする必要もないのに、やっぱり庶民の感覚が身についているのかテレビのボリュームを落とすと、なるべく物音を立てないように誰が来たのかを確認するために腰を上げた。


カメラに映っていたその人物を見て、心臓を鷲掴みにされたかのような衝撃を受けた。


何故…ここに?


私の知らないところで二人は繋がっていたの…?


だけど、心のどこかではやっぱり…と思っている私がいたのも事実だった。
< 170 / 277 >

この作品をシェア

pagetop