最後の恋

ずっと、彼女に再会してから…ずっと、もしかしたらという気持ちはあった。


だけどそう思いたくない気持ちもあって敢えて目を背けていたのに、真正面から現実を見ろ！と何かに責め立てられているような気持ちになった。


そして疑惑が現実となった今、感じる胸の痛みは疑惑の時なんて比じゃなかった。


そのまま、未だ彼女が映っているモニターの前で足元から何かが崩れ落ちていくように座り込んだ。


もう一度、インターホンが鳴らされたが、もちろん私が応答できるはずもなくそのまま彼女が諦めて帰るのを待つしかなかった。


それからどの位経ったのだろう。


ボリュームを小さくしたはずのテレビから大きな笑い声が聞こえて我に返った。


そして見上げたモニター画面はもう真っ暗だった。


まるで何事もなかったかのようにーーー。


留守だと諦めて帰ったのか？


それとも、今頃電話で話でもしているのだろうか。