最後の恋
考え事をしていたら、いつも以上に長風呂になっていた。


お風呂から上がると、彼が帰ってきているのがわかった。


閉めたはずのリビングへと続くドアが開いたままになっていたから。


部屋へ入ると、やっぱりソファには帰ってきたばかりだと思われる彼の姿があった。


「ただいま、遅くなってごめんね。」


入ってきた私を見て微笑む彼に、「お帰りなさい…」 と微笑んだ。


「部屋、決めてきたんだろ?」

「うん、来週契約になったから。」

「じゃ、その時は俺も一緒に行くよ。」

「…うん。」


キッチンで水を飲み、彼の隣に座ろうとソファに向かうと彼に腕を引かれた。
< 173 / 277 >

この作品をシェア

pagetop