最後の恋
今は誰とも話したくなくて6時間目が始まるギリギリのチャイムが鳴ると同時に席に着いた。


結局、5時間目は保健室でお世話になった。


泣いた後は、目も充血して鼻詰まりから頭痛まで起こった。


気分はこれ以上ないほど落ちていたのに、体調まで最悪になってしまった。


教室にはまだ先生が来ていないからか、ところどころ小さな話し声が聞こえていた。


窓の外から視線を教室の前に向けると、心配そうな顔で私を見つめる紫乃と目が合ってしまった。


彼女の口の動きから


『大丈夫?』


と聞いているのが分かった私は同じように口パクで


『大丈夫だよ。』


そう答えた。
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