最後の恋
番外編 ー 礼央目線 ー
図書室の窓からは遠くに鯉のぼりが泳いでいるのが見えた。
ここからは小さく見える鯉のぼりも、近くで見たらきっとかなりの大きさだろう。
子供の頃を思い出し心が和む。
さわやかに晴れ渡った空の五月晴れのあの日から
俺の中で彼女の存在は日に日に大きくなり、気付くといつも視線の中心に彼女が映るようになっていった。
それが恋だと気づくまで、それほど時間は必要なかった。