最後の恋
「うー…美味しぃー…」
彼の作ってくれるお鍋の具の中で、トロトロになって味を含んだ白菜が特に大好きだった。
今日も安定のトロトロ具合に大満足の私。
「ママから栄養たくさんもらって大きくなれよ。」
洗い物までしてくれた彼がソファに座ると、彼の手がお腹をさすりながら優しい声で赤ちゃんに話しかける。
子供達にもパパの声が聞こえたのか、お腹の中で動いたのが分かる。
「お!今動いた。本当に元気だなぁ。」
彼が私を見て優しく微笑むと、彼の顔が少しずつ近づいてくる。
未だにドキドキと高鳴るこの胸は、彼のことが大好きだという証。