最後の恋
今日からつけるこの入院日記も、いつか懐かしい気持ちで読み返す日がきっと来るだろう。

そう思いながら、今の気持ちを文字に書き綴りノートを閉じた。

いつの間にか、ウトウトと眠ってしまっていたらしい。

愛しい人の声が聞こえた気がして目を覚ますと、彼がカーテンを少し開けて入ってきたところだった。

「あ、もしかして寝てた?」

まだ意識が半分ぼうっとしている私の頬に彼の手が触れ優しい声で「おはよう」とキスされた。

もちろん周りには聞こえないように触れるだけの優しいキスに胸がキュンとなった。
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