最後の恋
紫乃の彼氏でもある一ノ瀬君と、こんなに近い距離で見つめ合うように目を合わせたのは初めてかもしれない。


毎週のように図書室で会っても、いつも恥ずかしくてほとんど目を合わせられなかったから。


廊下で紫乃といる時にすれ違っても、軽く会釈をする程度でまともに目を見る事は出来なかったから。


例え目が合ってもすぐに逸らしてしまっていた。


なのに、今の私の心は悲しみで覆い尽くされていている。


こんな日が来るなんて…誰が想像できた?



だけど、紫乃のいない日々が時間とともに当たり前の日常になっていくーーー。



2年になり、あっという間に半年が過ぎていた。



< 33 / 277 >

この作品をシェア

pagetop