最後の恋

「あらあら、みんなどうもありがとう。でも、おばさんも皆に会えるの楽しみにしてたから、そんなに気を使わなくて良かったのよ。とにかく家に上がって！！今日はいっぱい歩いたから疲れたでしょ？お風呂も沸かしていつでも入れるから、後で順番に入ってね。」

「「ありがとうございます。」」


ママの声も弾んでる。


私は一人っ子だから、あっちにいた時も美優や恵里とよくお泊まり会をしてた。


皆が来てくれると、家の中が一気に賑やかになってママもいつも嬉しそうだった。


東京に来てからは、友達が泊まりに来ることなんてなかったから……余計なのかな。


紫乃ともお互いの家でお泊まり会しようね！なんて話をした事はあったけど、結局それが実現することはなかった。


思考が一瞬暗い方向にいきそうになり、頭から彼女との思い出を追い出した。


今はせっかくの楽しい時間なんだから………


そこへ、斉藤さんの散歩を終えたパパが斉藤さんを抱いてリビングに入ってきた。


「おっ！みんなもう帰ってたのか！！」