最後の恋
秘書課を出てエレベーターホールに向かう。


しばらくして下から上がってきた無人のエレベーターに乗り込み、ひとつ上の階の22階のボタンを押した。


さっきまではそんなに緊張はなかったのに、少しだけドキドキしてきた。


今日から私の上司になる専務はどんな人なんだろう。


チーンという音を鳴らし、エレベーターはすぐに22階に着いた。


ふかふかの廊下を歩き、会長室と社長室専用の秘書室のドアをノックした。


「もうしばらくこちらでお待ちください。」

「はい、ありがとうございます。」


少しだけ下の秘書室とはまた空気の違う室内で待機する事、数分……


ついに会長室から専務達が出てきたようだ。


社長秘書である最上さんと専務らしき人が私が待つこちらに向かって歩いてきた。
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