最後の恋
「そんなに気にしなくてもいいって。せっかくバスケ部が休みになったんだし、こんな時じゃないと一緒にいられないんだから楽しんできて。」

「…うん、ありがとう。でも、ホントごめんね。その代わり、明日は大丈夫だから!」

「うん、分かった。じゃあ、また明日ね。」


紫乃との約束を明日に延ばし、彼女は教室まで迎えに来た彼氏と一緒に帰って行った。


教室にはまだ数人のクラスメイトが残っていたけれど、一人・二人と帰り支度をして教室からいなくなり最後に残ったのは私一人。


窓の外に目を向けると、ちょうど紫乃と紫乃の彼氏が並んで歩く後ろ姿が目に映る。


そんな二人の後ろ姿をぼんやりと眺めていたその時だった。


不意に紫乃がこちらを振り返る。


その瞬間、心臓がドクンと大きく震えた。
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