最後の恋
後になって知ったのは、実は美優は私が高校から一ノ瀬君の事を好きだった事に気付いていたという事。


そして、それは大学生になっても変わらず片思いを引きずり、こじらせ処女でいた私の事を凄く心配していたと聞かされた。


それを聞いた時は、そこまで心配させていた事に申し訳なさを感じたと共に、私の事をそんな風に見守っていてくれた親友の存在に胸が一杯になった。


地元の4人のなかで上京メンバーは美優だけで、後の3人は地元組だった。


タケも本当は、東京の大学を目指していたけどタケの父親が体を壊した事をきっかけに大学進学の道を断念し、父親の後を継いだ。


タケとも色々あった…。


高校を卒業した彼は春休みに1人で私に会いにきた。


それは、ただ観光をしにきたわけではなく私に自分の思いを伝えるために。


私たちは、恋人にはなれなかったけど、彼は今も変わらず大切な幼馴染であり仲間に変わりはない。
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