溺愛御曹司は仮りそめ婚約者

「かわいい、またドキドキした。沙奈に触れるときは、いつもドキドキしてる。情けないことに、余裕なんて全然ない。幻滅した?」

「そんなの、するわけない。私が好きになったのは……完璧じゃない、ありのままの東吾だから」

「沙奈……。やっぱり俺には、沙奈しかいない。好きすぎて、やばい。だから、続行します」

「ひゃうっ!」

耳を舐められて、変な声が出た。服の隙間から入ってきた彼の手が、素肌をなでて甘い吐息が口から漏れる。

「かわいい、沙奈。かわいくて、全部食べちゃいたい。ね、食べていい?」

そう聞きながらも、手の動きはどんどん大胆になっていく。甘えるように、頰をすり寄せるその仕草は私のなにかに触れてしまった。

なにかに撃ち抜かれるような衝撃とともに心臓がドキドキし始める。

知らなかった……。私って、こういうのに弱いんだ。

「あっ、やっ」

「柔らか……。沙奈は、どこもかしこも柔らかい。ね、いい?」

胸の膨らみに触れられて、体温があがる。

ああ、でも、恥ずかしいけど、私も東吾に触れてほしい。

首筋を唇でなぞっていた東吾の首に手を回すと、彼が顔をあげた。

「お、おいしくないかもしれないけど、どうぞ召し上がれ?」

「……煽られっぱなしだな、俺。一生、沙奈に敵う気がしない。じゃ、遠慮なく」

着ていたTシャツを脱ぎ捨てた東吾に、私の服も脱がされる。

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