幸せになってもいいですか?
いつものように定時に上がり
帰りにスーパーに寄り食材を買い
夕食の準備に取り掛かる
今日のメニューは
前に美味しいと絶賛してくれた
クリーム煮のロールキャベツ
仕事が終わってから
真っ直ぐ向かったとしても9時半は過ぎる
それをただ待つには
時間が長く感じてしまう
あと1時間…
そのとき、インターホンが鳴った
誰だろうとモニターを覗けば
9時半に来るだろうと思っていた人
『早かったわね』
そう言って迎い入れる
久しぶりに会う孝は
逢いたかった、と私を抱きしめてきた
外の匂いと、タバコの匂い
今日は休みだったのだろうか
でも、それを聞くことはしない
『お腹空いてない?』
その言葉で私の身体を離してくれた孝
腹ぺこ、と笑ってくれた